わきが治療と多汗症治療を同時にできる手術方法はある?

剪除法などでは同時治療の可能性が高い

わきが治療の中で、メスを使い皮膚を切る皮べん法やクワドラカット法、また超音波法などは、皮膚を直接目視する、また汗腺組織に器具を挿入する方法で汗腺を除去するものです。
これらの方法の場合、わきがの原因となるアポクリン汗腺はもちろんのこと、多汗症の原因であるエクリン汗腺も同時に除去でき、わきがと多汗症を同時に治療することが可能とされています。
手術もわきが治療と多汗症治療を一度に行えるため、負担も比較的少ないでしょう。
わきがは多汗症と併発して症状がひどくなっているケースも多く、メスを使って皮膚を切る治療方法は有効であるといえます。
しかし、エクリン汗腺の分布範囲は広く、これらの方法では除去しきれないこともあることから、多汗症を完全に改善できるとは限りません。

切らない治療などでも効果が期待できる

一方、切らないわきが治療としてミラドライやウルセラドライといった方法でも、わきがと多汗症を同時に治療できる効果が期待できるとされています。
これらの方法は、マイクロ波や高密度超音波、高周波が水分に反応して熱で汗腺の働きを抑制するものです。
そのため、アポクリン汗腺を破壊するだけではなくエクリン汗腺にも働きかけることができるのです。
また、エクリン汗腺は分布の範囲が広いですが、これらの切らないわきが治療は点ではなく面で照射するため、広い範囲にも適用できます。
この点も、多汗症治療に向いているとされる理由の1つでしょう。

ボトックス注射はわきが治療には向かない

一方、多汗症治療を比較的手軽にできるボトックス注射は、神経や筋肉の動きを制限することでエクリン汗腺の働きを抑えることができる治療方法です。
この原理であれば、アポクリン汗腺も抑制が期待できるといわれることもありますが、実際にはわきがにはあまり効果が見られにくいです。
また、ボトックス注射の効果はあくまで一時的なもので、数ヵ月ごとに治療を受けなければならないこともあり、わきがと多汗症の同時治療には向かないといえます。
ただし、多汗症がわきがのニオイをより拡散させてしまい、症状を悪化させているケースも多いため、多汗症を治療すればわきがのニオイが多少抑えられることはあるかもしれません。

最適な治療方法は医師と相談

わきが治療と多汗症治療を同時に行う方法に関しては、クリニックで医師に相談するのが一番です。
人によっては、多汗症を治療すればわきがの症状が軽くなる場合や、両方治療するのが最適となる場合などそれぞれです。
どのような治療を選択するか、また複数の治療方法を組み合わせるかなど、医師とカウンセリングをしっかり行って、自分に合った方法を提案してもらうようにしましょう。